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刺青の治療は、現在二つ方法があります。ひとつはレーザーの照射、もうひとつはそこの部分の皮膚の全取替えです。質問内容から察しますに、このあたりのことはご存知のようですが、具体的な内容まではご存知ないようですね。皮膚の全取替えですが、大きさからして皮膚を切り落としたあとの欠損部は縫い寄せるのは無理でしょうから、他の部分から皮膚を分けてもらう事になります。そうです、植皮術です。他人の皮膚や死体の皮膚を使うのは漫画の世界のお話で、自分の皮膚しか使用できません。 一般に植皮術は美容目的で行なわれる手術ではありません。事故や病気で皮膚が欠損してしまった場所にやむなく行うのです。ですから、仕上がりがお世辞にもきれいとは言えませんし、皮膚を提供した部分も同様のことが言えます。若気の至りでやってしまった刺青を一生かかえているよりは、昔の火傷の跡と偽る方がまだましだとおっしゃるならそれも良いでしょう。それから、植皮術の後は、移植した皮膚がちゃんと落ち着くまで動けませんから、2週間ぐらいベット上の入院を余儀なくされます。当然保険は使えませんから、入院費も含め自費で200万円ぐらいかかると思います。現在は優秀なレーザーがありますので、刺青治療はこちらが主流です。ただし、レーザーは単色対応(ひとつの種類のレーザー装置は、ひとつの色にしか対応できない)ですので、もし、何色もの色を使っている場合には、少々厄介です。レーザーの装置は一台数千万円もする高額機器なので、よほど専門にしている施設以外は、汎用性の高い黒色対応のレーザーしか用意されてないことが多く事前に問い合わせてみることですね。また、手術に負けず劣らず高額料金がかかり、レーザー光の性質上、極端に深い色墨には反応しませんので、完全に消し去る事ができず、薄っら残る場合もありますので、それも合わせて聞いておくべきです。当院では植皮は行っておりませんが、レーザー治療は東京目黒の「リッツ・メディカルクリニック」で診察しております。色によりどこまで改善可能かどうか、是非拝見致します。植皮は止めておいた方が良いと思いますよ。レーザーも事前の説明でご納得された場合は行う価値があるのではないでしょうか。或いは、このまま手をつけず、他人には生れ付きのアザを目立たなくさせるためのタトウーだと弁解されるのが最良の選択かもしれません。
(回答者:リッツ美容外科東京院 浪川浩明)
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