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脂肪吸引を行う際に使用する麻酔には局所麻酔と全身麻酔があり、局所麻酔の場合は極量といって、ある量を越えて注射すると人体に悪い影響を及ぼす事が分かっています。3つの病院での対応はそれに対する病院の考え方を反映したものです。つまり(お腹、腰、太もも、二の腕を一度に吸引するには局所麻酔の注入量が極量をこえてしまうので、安全と手術の煩わしさを考慮して)3回に分けましょう(二の腕、お腹、くらいであれば極量を超えなくても麻酔できるので)2回で大丈夫です。あるいは、(そうは言っても手術中に本人が痛みを訴えた場合に追加の麻酔が出来ない場合もあるから)全身麻酔で一回で行いましょう。と言うところでしょうか。身体への負担という事については何とも言えません。つまり極量を超えない範囲での局所麻酔での手術は身体への負担(麻酔が切れた後の体の負担)が一番小いのは事実です。しかし極量を超えた、あるいは極量に近い状態での局所麻酔での手術は血圧の低下をきたし危険なものになります。全身麻酔そのものは極めて安全ですが、麻酔が覚めた後すぐに元の状態に戻ることはないので、1〜2日の入院や安静が必要となります。身体への負担の順は、安全な量の局所麻酔全身麻酔極量近くでの局所麻酔となります。本人が気にしている脂肪の吸引量はよほど太っていなければあまり問題ないかと思います。日本人の1回での脂肪吸引量は5000ccを越えることはあまりなく、一般的には3000-5000ccの範囲で行っているのが現状です。体型にもよりますが、二の腕で左右で500-800cc、太もも左右で1600cc、お腹と脇腹(腰)で2000ccもとれればかなりのプロポーションが出来ます。但し診察をしていないのであくまでも一般論になりますが。
(回答者:医療法人社団知足会 百人町アルファクリニック 与座聡)
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