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自然な仕上がりの鼻を希望したいとの内容ですが、それを決めるのは素材ではなく、手術を行う意志の知識(経験)と技術によると思います。
現在の日本の美容外科、形成外科で行われている隆鼻術で、鼻全体を高くする目的では、シリコンプロテーゼ、筋膜、耳介軟骨、肋骨、腸骨などが使用されています。
質問にある耳の軟骨(耳甲介軟骨)は弾力性の面では極めて自然で、吸収が少なく、鼻尖部の修正(鼻先を細くしたり、高くする手術)には有用です。
但し耳の変形を生じないためには採取する大きさ、厚さに制限があり(耳甲介部で2cm前後)、また鼻根部から鼻先までのまっすぐな軟骨は取れないので、鼻先全体の修正には向きません。
どうしても耳介軟骨のみで再建する場合は、おそらく両耳から取れるだけの軟骨を採取しこれを重ね合わせて使用することになると思います。
プロテーゼは個人の鼻の形に合わせて簡単に細工でき、手術も比較的短時間で終了します。
しかし、感染に対して極めて弱いという欠点があります。また、鼻の皮膚が薄い場合やプロテーゼによる緊張が強い場合は、圧迫する部分でプロテーゼが透けるようになり、放置しておくと穴があく場合もあります。
(東洋人のように鼻の皮膚が厚い場合は、適切な判断の元に手術をすればこれらの欠点を最小限に抑えることは可能です。)
以上の内容から、鼻全体を高くするならプロテーゼを主体とした手術がよいと思います。鼻先の緊張がかかる部分に耳の軟骨を補填することで、皮膚の薄化を防ぐことは可能です。しかし現在の鼻の状態や、どの程度の高さの鼻を希望しているのか不明なため、正確なコメントにはなりません。あなたが手術をうける病院で相談することを勧めます。
(回答者:百人町アルファクリニック/渡辺 英明)
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