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A1.
あなたの体に吸引が可能な余分な皮下脂肪がある場合には、私は「脂肪注入法による豊胸術」をお薦めします。自分自身の脂肪細胞を利用するため安心なのは勿論、形や感触が大変自然です。また、バッグ法では不可能なバストの微妙な左右差や上下のバランスなどの細かい修正が可能です。さらに、気になっている部位から吸引してバストに注入することによって、バストだけでなく全身のバランスも良くすることができるからです。
「脂肪注入法は吸収されるから意味がない」との広告記事が気になっているようですが、この記事は正しい情報とは言えません。当院では、1984年から「脂肪注入法による豊胸術」を行うとともに研究を続けてきておりますが、適切な方法で吸引した脂肪を正しい方法で注入することができれば、注入された脂肪は必ず注入した部位に定着します。当院の1400例以上の臨床経験をもとにした統計では、注入した脂肪細胞は手術直後と比較して1〜2ヵ月後には50%のボリュームになるという結果がでており、全てが吸収されなくなったという症例は1例もありません。ボリュームが約半分になってしまうというのは、実際は細胞自体が吸収されてなくなってしまったのではなく、一つ一つの脂肪細胞が小さくなったためなのです。脂肪移植手術は、美容外科以外の分野でも広く応用され始めている効果的な方法ですが、専門に行っている医師が少なく、医師によって技術の差が大きく出てしまう手術でもあります。手術後に後悔しないためにも医師選びは慎重にし、経験豊富で信頼できる医師に相談されることをお薦めします。(代官山美容外科)
A2.
生理食塩水バッグは、現段階では厚生省の認可は下りていませんが、人体に悪影響を及ぼすものではありません。バッグ法は、痩せている人でもある程度希望の大きさのバストにできるという利点があります。しかし、異物ですので体の中に入れた場合には生体の防御反応として、バッグの周囲に膜ができます。この膜の中でバッグが自由に動くだけのスペースがある場合には問題がないのですが、このスペースがなくなるとバッグが固定されてしまいます。そのため形が不自然になったり、感触が硬いといった術後拘縮といわれる変化が出てくる可能性があります。また、時間の経過とともに自然にバッグの中の生理食塩水が漏れて小さくなってしまう可能性もあり、永久的とはいえません。異物が入っているということが自分自身のなかで精神的にいつまでも気になる方もいるようです。 どちらの方法も利点とともに注意しなければならない点がありますが、正しい情報を基によく考えたうえで決めて戴きたいと思います。
(回答者:代官山美容外科 周哲男)
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